豊島サッカークラブ
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上手なプレーヤーはスペースでなく人を見る

筑波大学の浅井武教授らの研究グループは、サッカー選手が状況判断を行っているにおける際の眼球運動を計測・分析。競技レベルの高い選手はほかの選手をよく見ているのに対し、平均レベルの選手はむしろスペースを見て状況判断を行っていることが明らかになりました。

上手なプレーヤーはスペースでなく人を見る

スペースよりほかの選手を見ている

これまでサッカーの状況判断に関する研究は、実際のプレー環境と乖離した実験環境で行われたものが多く、実際のプレー環境をシミュレートして身体動作を伴った状態で眼球運動を計測した研究はほとんどなされていません。

今回の研究では、筑波大学サッカー部の選手30名の協力を得て計測。その結果、競技レベルの高い選手はスペースよりほかの選手を中心に見ていることが明らかになりました。

さらに、パスを受ける前とパスをする前では、見る対象が相手選手から味方選手に切り替わっていることも判明。無作為に見るのではなく、意図を持った適切な視線のコントロールが状況判断の重要なポイントであることが確認できたのです。

平均的な選手はスペースを見る傾向

例えば、味方がボールを持っていてパスを受ける状況では、平均的な競技レベルの選手はスペースを見る傾向があるのに対して、競技レベルの高い選手は相手選手に視線を向けていたことがわかりました。

これは自分がボールを受けたあと、相手の守備のスキを見つけて次にどの味方にパスできるかを見極めるためだと考えられます。

また、味方からパスされたボールを次の味方にパスする状況では、平均的な競技レベルの選手がスペースを見る傾向があるのに対して、競技レベルの高い選手はパスを狙った味方選手を見ていることがわかりました。

これは、パスを狙った味方選手を中心に、その選手の動きや走り込む位置、周辺情報などを的確に捉え、正確にパスするためだと考えられます。